─優しさ─
「僕にはその優しさが辛いんだよ!!」
お前が珍しく大声をあげた。
今までそんなことなかったのにという驚きと、言われた悲しみが襲ってきた。
きっかけは多分俺とお前の違いだろう。
いつもいじめのようなことをされていたお前と、いつも笑う俺。
お前へのいじめを俺は止めていた。お前を助けるために。
でも意味がなかった。あまりのショックに、思ったことが声に出てしまった。
「…ふざけんなよ。今まで助けてやったのは誰だよ!」
「君が勝手にしたんだろう?!そのせいで、僕は…!!」
そう言ってお前は、俺のせいでいじめがひどくなったと話した。
「なんでお前みたいな陰キャが、陽キャの君と絡んでるんだって」
お前は泣きながら、痛くて辛くて苦しかったと話した。
「…俺の優しさ、無駄だったんだな。ごめんな。」
君はそう言って、去っていった。
「…ごめん、ごめんよぉ。」
俺のエゴなのに。君に見下されてるように感じて。
もういっそのこと楽になろうって、関係を終わらせて。
君の優しさに縋ってたのは、僕なのに。
「どうしたら、良かったの…?」
君の去った教室には、僕の声だけが木霊した。
1/27/2024, 4:07:07 PM