─未来─
とても急だか、僕は未来が見える。
目を瞑って集中することで見ることが出来る。
そのお陰で命が助かったこともある。
でもそれがきっかけで周りから嫌われている。
『何でどうなるか分かるの?気持ち悪い。』
『未来見れるって悪用できるじゃん。犯罪者が。近寄るなよ。』
そんな言葉を浴びせられて生きてきた。
ある日、友人が屋上で世界を後にしようとしていた。
その友人は未来が見えると言っても馬鹿にしない、唯一の友達だった。
「未来見れるなんてすげぇじゃん!羨ましいわ~!」
とても優しい言葉を掛けてくれる、大切な友達。
そんな優しい友人が自殺しようとしている。
僕は無言で、友人の隣に立った。
「...止めないのかよ。」
『何?それとも止めて欲しかった?笑』
「...別に。そもそもこうなるのは分かってただろ。」
『いいじゃん。お前に死ぬななんて言う権利は、僕に無い。』
───僕と同じで友人もいじめられていた。
原因は、僕と関わっているから。だから止める権利は僕には無い。
【今までありがと、唯一の友達。】
二人でそう言い、僕らは落ちていった。
6/17/2023, 2:52:41 PM