仕事から帰ると妻がうきうきした表情で夕飯を作っていた。
そういえば今日、友人達と買い物に行くって楽しみにしていたな、と数日前の妻の発言を思い出す。
楽しめたのなら良かった。とコートを脱ぎながらソファーに沈み込む。
すると妻は料理の手を止めてくるりとこちらを振り返った。
「今日ね、新しいセーター買ったの!見て見て!」
そう言って料理もほっぽって買ったものを持ってきた。
そして、紙袋の中からジャーン!とでもいうように新しいセーターを取り出した。
それを見て俺はピシリと固まってしまった。
だって、そのセーターは…
「ちょっと寒そうだけど可愛くない!?」
いわゆる…
「…それ…」
童貞を殺すセーター、とやらだ。
妻はそんな事は知らずに純粋に可愛いと思って買ったのだろう。
とりあえず外では着てほしくないため(当たり前だが)しどろもどろにそのセーターがどういうものであるのか教えた。
「っ…!?ち、違う!違うから!!そういう意味で買ったんじゃ…!」
「分かってる…」
真っ赤になりながらわたわたとする妻が可愛いと思ってしまった俺は相当な妻バカだ。
とりあえず…ここは…
「…俺以外の前では着ないでね…」
そう言って妻をソファーに押し倒した。
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セーター
11/25/2024, 9:36:50 AM