「世界に一つだけ」と聞いて思いつくことは何だろうか。世界に一つの称号?珍しい能力?そんな問い掛けがなんとなく苦手だ。そもそも「世界」にこだわる必要もないし、わざわざそれを聞く必要もないと思う。そんなことを友達に言ったことがある。それを言ったら、
「捻くれてんねぇ相変わらず。」
と言われた。そんなこと言われなくても分かっている。俺は捻くれていて、周りと違うのも自分が一番分かっている。思春期の多感な時期だからといって女子の一挙手一投足が気になる訳でもない。別に女子が嫌いとかそういうことでもない。自分でもこの性格はめんどくさいと思っている。俺が女子なら俺のようなめんどくさい男とは話したくないし関わりたくもないだろう。だから友達が少ない。唯一話せる女子は幼なじみで、小中高と同じだからこのままラブコメ展開に!?ということもないだろう。俺と対照的に明るくて活発という訳ではないが周りと馴染めていて羨ましいとは思う。
「自分から話しかけないから馴染めないんじゃないの?」
「分かってるよ。それが出来たら苦労しないし友達くらい出来てるよ。」
「でもこういう慎重で周りと少しずつ話せるようになっただけでも進歩じゃないかな?」
そうだろうか。もしこれが俺の「世界に一つだけ」の才能なら、これはこれで有りかな…と思った。
<世界に一つだけ」
9/10/2022, 3:37:46 AM