風伯

Open App




        「命が燃え尽きるまで」



    僕は幼い頃から知的好奇心が非常に強かった。


  「なぜだろう?」「どうしてだろう?」と,周囲の大人に


  問い続けた。


   最初は笑顔で答えてくれた大人もやがて答えに詰まり,


  最後には学校の先生に聞いてご覧とか,自分で調べなさい


  というお決まりの台詞を吐くようになった。


   本という存在に出会ってからは一気に世界が広がった。


  幼少期はお小遣い,学生時代はバイト代をほとんど全て使い,


 「床が抜けるから止めろ」と両親に言われるまで本を購入して朝か


  ら晩まで読み耽った。何度もの引越しの際に大量に処分したが,


  それでもまだ五千冊程度は手元にある。


   そのお陰で大学院まで進学する事になり,今でも仕事で研究


  に携わっており,複数の研究会に所属して研究発表をしている。


  公的な研究機関では足らずに,民間企業主催の研究会にも手を


  出そうとしている。しかし,それでも知的好奇心は衰えなかった。


  毎朝,物理・化学・生物・地学の勉強をし,文学や歴史や心理学


  や哲学や宗教等の本を読み,素人文化人類学者・民俗学者のよう


  なフィールドワークを行っている。


   おそらくこれは死ぬまで続けるだろう。


  別に目的は無く,知りたいから,面白いからやるだけである。


  何とも浅はかで,自分勝手な理由だろう。


  しかし,自分にぴったりのやり方でもある。


  心に従って思い切り研究したいことをし続けていく。





9/14/2024, 10:57:50 AM