#時を告げる
君は、サラサラな髪をナビかせて走っている。
自慢なんだと、私に見せてくれた黒髪。
マジックのようにいつも違う髪型。
あとから聞いた、ヘアメイクは技術と時間を思いのほか使うようだ。
それでも、君はたまにしか会えないのだからと可愛くしていた。
私の方は意気地無し。
会うことさえ怖い。
だからせめて、手紙を置いていこう。
不審がられても、読まれなくてもいい。
あの子に渡したい。
「そろそろお時間です」
呼ばれてしまったようね。
あなたが呼ばれるのはまだ先にしておいてね。
「雲の上のおばあちゃんから」
9/6/2024, 2:46:10 PM