AM2:00
年に一度の音楽番組も
ぬくい布団も投げ出した。
窓の外は暗闇が深くて、
おにぎりは胃もたれしてしまう。
ニュース番組には知らないキャスター。
今更になって荷物を全部取り出して確認する。
そのうちエンジン音がして
雪道へ出発した。
恐ろしい森の入口
謎の野生生物
星の降る階段
「ダンジョンみたいだね」と笑った。
新しい西暦を雪に書き込む
興奮と眠気で喋ったり喋らなかったりしながら、
街を見下ろした。
吹き付ける風に足や耳が取れそうだ。
だが誰一人、不満を口にしなかった。
暗闇に赤い筋が灯る。
ゆっくりだけど早い。
私達とは違う時間の進み方だ。
ただ、なすがままに私は万歳をし、
オレンジ色に包まれていった。
#日の出
1/3/2024, 12:27:56 PM