大好きな君に。
ごめんね。
一番大事な夜を、君と過ごせなかった。
他の女性と一緒だったなんて、君はさぞかし腹を立てただろう。
違うんだよ。
彼女が、大ケガを負った僕を治療してくれたんだ。
夜通しね。
首を切られていたから、生きるか死ぬかの瀬戸際だったんだ。
…分かるだろ?
そりゃ僕だって、一年に一度のあの夜を、皆と過ごしたかった。
大好きな音楽を聴きながらお酒を飲んで、君と一緒にいたかった。
でもね、あの怪物だよ、僕を襲ってきたのは。
あの毛むくじゃらの、爪と牙の鋭い生き物だ。
抗えるわけがないじゃないか。
何とか一命を取り留めたけど、帰り道さえ分からなくて…君はよく僕の居場所が分かったね。
女の勘って…まさか、友達を三人も引き連れて迎えに来るとは。
怖かった…もとい、嬉しかったよ。
また来年まで会えないんじゃないかと思ってたからね。
とゆー訳で、これは決して浮気なんかじゃないんだ。
だって相手は、すでに結婚して夫がいる身だからね。
いや、それを浮気というって…確かにそうだけど…。
君の方が若くて美しいのに、他人の奥さんに手を出したりしないって。
え、その娘さんが僕に惹かれてる…?
いやいや、ひなまつりでお祝いされる娘さんって、いくつだと思ってんの。
3/4/2024, 1:23:25 PM