手のひらで目を塞ぐと、沢山の光が暗闇の中を飛んでいるのが見えた。
小学生の頃の私には、それが面白くて、楽しくて、教室の中でキャッキャと騒いでいた。
他の子にどうしたの?と言われたから説明しても、誰もこの不思議な現象を分かってくれなかった。
だから、幼いながらに、あの頃の私は、自分の手のひらにしかない宇宙を見て目を輝かせていた。
手のひらの宇宙には、蛍みたいにのんびりと動いている星や、様々な色に変わる星……沢山の個性的な星たちが輝いていた。
自分にしか分からないものは沢山あったけれど、それでよかったのかもしれない。
それが、私自身だったのだから。
1/18/2025, 1:53:41 PM