「俺さ、どうもクラスの女子に嫌われてるみたいなんだよね…。」
「何々どしたん話聞こか?」
「や、昨日忘れ物取りに教室戻ったらさ、女子が集まっ話してたんだよ。したら、クラスの男子の誰がイケてるって話しててさ…聞いちゃうじゃん?」
「もちろん気になるじゃんね。」
「で、ちょうど俺らのグループの話だったんよ。」
「へー俺はどうだった?」
「めちゃ高評価だったわ。スゲェいい奴でスゲェオモロくてスゲェヤベェっつって、お互いにスゲェオススメしてたぞ。」
「来ちまうかー俺の時代。っべー」
「それに比べて俺なんてさ、優しいけど優しいだけだって言われちゃっててさ。ダメだよやめた方がいいっつって。絶対裏あるし下心しか見えないよねって。ないないやめた方がいいいよって。イケてないからやめとけってもう散々。」
「マジかよ。お前いい奴なのにな。いっつも人助けしてるし、聖人かと思ってんのによ。女子らわかってないわー。ないわー。」
「んで、先週転校してきた子いたじゃん」
「あー、車に轢かれそうだったとこ助けた子な?」
「ガチ全力否定されてて泣くかと思ったわ。助けられてどう?って、あり得ないってさ。」
「ありえね〜」
「そこでいるのバレちゃって、めちゃ気まずかったわ。聞いてたか聞かれたけど、今忘れ物取りに来たとこって誤魔化すしかなかったね。」
「つれー」
「なんかいつも女子に体当たりくらうし、薄々嫌われてんじゃないかと思ってたけど、やっぱ実際聞いちゃうとなー。まぁ、困ってる人いたら今後も助けるけどさ、やっぱ見返りに好かれると思っちゃダメだな。
あ、やべそろそろ時間が」
「バイト?」
「いや、今話してた転校生に昨日の件で話あるって呼ばれてんだよね。体育館裏の伝説の木の下に運命の鐘がなる時間に来いって」
「こえー、ばちばちに指定されてんじゃん」
「逃げずに絶対来いって念押しされてるし、時間通りに行かないとだから早めに行こうと思って。じゃ!」
「おぅ、今日はすっぽかされないといいな」
ざざっ(一斉に物陰から移動する音
「また、嵐が来るな…。」
テーマ:裏返し
8/22/2024, 2:42:23 PM