色野おと

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友達や家族と賑やかに過ごしたイブとは対照的で、25日はこころ静かに過ごす。それでいながら、微笑まずにはいられないくらいの豊かな時間が流れて、天使から祝福を受けているかのような気持ちで一日を送る。

実際、私のしていることと云えば、24日におすそ分けしてもらったジンジャークッキーと高級感あるインスタントなコーヒーをリビングのテーブルに置いて、ソファーには座らずに床に敷かれたギャッベに腰を下ろして読書に耽る。

その年の目新しい書物を読むわけではない。
小学一年のときに父親から譲ってもらった47年来の旧知の友と言っても不思議ではない愛読書に目を通す。初めて読破したのは中学になってからなので、かれこれ45回は確実に再読していることになる。

〝飽きもせず〟と我ながら思うこともあるのだけれど、こういう日だからこそ傍において、こころで会話をするかのように頁をめくって読み耽る。そこには私だけの特別感がある。そんなふうにして過ごすことで、クリスマスは特別な日に思えてくるのである。



テーマ/クリスマスの過ごし方

12/25/2023, 12:02:16 PM