「夏の忘れ物を探しに」
ミンミンと蝉の声が響く。
目の前にはひまわり畑。
僕はここに何を探しにきた?
ひまわりの影にちらりとみえる麦わら帽子。
白いワンピースで夏の装いの君。
僕の探し物。
うるさいほどに蝉がなく。
君は振り返ってはくれなくて、
「まって」
思わず追いかける。
追いかけた先には見慣れた踏切があって、
君はその真ん中。
踏切が降りて、君はそのままで、
終わった
と思った。
真っ赤だった
忘れられない、一夏の思い出
朝目が覚めて、夢だと知って。
でも夢じゃなくて。
見慣れた通学路。見慣れた踏切。
そこには花が添えられていた。
きっと、君のための
9/2/2025, 8:08:58 AM