作品43 プレゼント
ラッピングを頼まれた商品を受け取り、好きな色の紙を切る。丁寧に包装し、紙にあう色のリボンを、ふわふわになるように可愛く結ぶ。そして、返す。
この季節になると、この作業が一気に増える。サンタさんがたくさん来て、子供の好きそうな商品を頑張って探すのを見られるこの仕事が、大好きだ。そこからしか感じられない親子の愛がある。
きっとクリスマスの朝には、キラキラした子どもたちの顔を見れるんだろうな。親はそれを、愛おしいと感じるのだろう。
そして、子供はその視線を浴びながら、私達が丁寧に包んだラッピングをグチャグチャにして、中身にだけ気を取られて、この包装たちはクズ箱に捨てられて。考えただけでも腹立たしい。
この仕事が好きな分、どんどん子供が嫌いになっていく。いつからこんな捻くれたんだろう。
ああそうだ。親にサンタさんの正体を言われた頃からだ。あのころからなのか。そしてそこから数年経って……。
人ってこんなんになっちゃうんだな。
12/23/2024, 1:55:22 PM