月下の胡蝶

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お題《好きじゃないのに》



「あなたには――が似合うわ」


「――と――、どっちにする?」




私は曖昧に笑って、興味なさげに適当にえらぶ。



心を殺して閉ざして生きる人生は――無価値以外の何者でもない。



だから。


月灯りのように、静かで穏やかな笑みを浮かべて。




「大丈夫。ゆっくり選ぼう、いくらでも待つよ。君の言葉、なんでもいい。聞かせて?」





それは、静かに涙雨が降る時間でした。


3/26/2024, 4:44:53 AM