〖 〗

Open App

最近、僕の人生は息詰まることばかりだ。
仕事のミスから始まり今日まで続く
この負の連鎖は終わる気配もない。
嫌なこともあまり続きすぎると
なんとも思わなくなってくるらしい。
今は、一周まわって楽になっているかもしれない。

今日も深夜に帰宅し、
いつもと同じようにタバコを咥えた。
まだ夏にはなっていない今日の季節だが、
どうやら今日は気温が高めらしい。
家の中にいては暑さから息が詰まってしまう気がして
ベランダに出て一服することにした。

下に広がる夜景ばかりを見つめていたが、
ふと上を見上げると
空に向かっていく煙の奥に壮大な星空が見えた。
よく歌でも歌われているように、
星空を見上げるとどれだけ自分がちっぽけか
思い知らされる。
自分はどれだけ小さくて、情けないのか。
自分が立ち止まっても星空はいつも輝く。
願わずとも動き続ける時に助けられたこともあった。
そんな世界のリズムはやはり
理不尽でありながらも万人に平等だ。
煙を吐ききった口からは小さく情けない音が出た。
何となく呼吸のリズムに従って
深く深く息を吸う。
そうやって肺に入り込んだ空気は
暖かく、冷たく、どこまでも軽い。
もう一度深く息を吐いたら、
そろそろ歩き出さないと。
僕にとって星空は、時の流れを感じさせるものであり
たった一瞬、時を止めてくれるもの。

7/5/2022, 12:59:17 PM