授業の終わりと昼休みの始まりを告げるチャイムが、未だ鳴り続けるチョークの音と共に耳に入ってくる。
溜息は口の中で噛み、目線を窓へと移動する。晴れても曇ってもいない空に対した用はなかったが、そう言えば、委員会を共にするあの先輩は、こんな空を好きだと言っていた気がする。
あの先輩は、今日の空も好きだと言うだろうか。先輩は、他に何が好きなのだろうか。私は、先輩のことを思っていたよりも知らないのかもしれない。クラスも知らない。けれど、他の委員会の先輩より、だいぶ仲が良いはずだ。そんないまの関係は、今の空に似ている。
部活仲間より仲良くなくて、クラスメイトより知らなくて、でも、委員会の中では一番。そんな曖昧な、ともだち?
ぼんやりとしていた世界から、わっと大声を上げて現実に弾き戻したのは、まさに今考えていた先輩で、高鳴る鼓動を大声に結びつけて、文句を口にする。ふわりと笑い、くせ毛をまとめた三つ編みを揺らす先輩は、委員会の事で私を呼んでいたようだった。
教室を出て、笑い声に溢れる廊下を2人歩いていく。ふと、横を見てうつった空に。
あぁ、明日は晴れると良いな。
あいまいな空
6/14/2024, 12:00:23 PM