誇らしさ
その背中はいつだって大きく見えた。
別に自分と同じ背丈に身幅だというのに憎らしくてしかたない。
でも知っている。
その背には沢山の物事が、想いが願いが時に輝かしく時に重々しく、その背に乗っていることを。そしてその背には笑顔だけでは語れない物語がいくつもあることも。
その背にある無数の傷は、勲章かはたまた自虐か。
それでも彼奴はずっと前を見続けたっている。自分だってもう、その背から預かる事だってできるのに結局彼はそれをしない。それが憎らしくて大嫌いだ。
同じはずなのに自分は結局、すぐ後ろにしか立てない。
伸ばせば触れれる距離。でも、隣じゃない距離。
憎くてうざったらしくて、誇らしい背中。
8/16/2024, 3:57:34 PM