「好きです!付き合って下さい!」
晴天の中大きな声が響き渡った。
道行く人が皆その声の方を見た。
「ちょっと…ね?こんなところでやるのは…」
戸惑いながらそう返しているのは1人の男の子。
対する女の子は、頑なに顔を上げようとはしない。
全く。こんな公共の場で告白などしないでもらいたい。
と、思った。
僕のような非リアにとって、公開告白は地獄でしかない。
振られろ。
こんなところで告白するやつなんて碌なもんじゃない。
男よ。振れ。
と、念じながら成り行きを見守っていた。
「今、返事して下さい!」
しびれを切らした女の子のほうがバッと顔を上げてそう言った。
「じゃあ、嫌だ。と。」
と、男の子は返した。
ナイスだ。
「なんで?なんでなんですか?何がいけないんですか?嫌なところ直しますから。」
「そういうところもだけど、こんなところで告白したりするのとか全部嫌だ。」
若干めんどくさいことになりそうな気はしてきたが、気にしないこととする。
「ねぇ。お願いだから。捨てないで。」恋人らしいこと何も求めないから。」
女の子はまだ飽きもせず駄々をこねている。
しかし、もうこの茶番も見飽きたし進展がしなさそうなので帰ろうとした。
その時、
「仕方ないな。ちょっとだけだよ。」
座り込んでいた女の子にそういいながら手を差し出した男の子。
顔には困ったような笑みがあった。
クソリア充が…
心のなかで悪態をつきながらも今度こそ帰路についた。
僕たちは生きている。
この理不尽な世界を。
非リアに優しくない世界を。
リア充という光り輝く太陽の下で
11/25/2024, 10:18:23 AM