「私ね、貴女がずーっと嫌いだったの!!」
何度その言葉が、喉元まで出かかったか分からない。
「いっつも無理ばっかりしてるよね」
出会った当初はそこまで何とも思っていなかったのに、貴女を知るうちに段々と嫌いになっていった。
「大丈夫じゃないのに大丈夫って言ってさ、私が気づかないとでも?もっと頼ってよ」
わざとらしい笑顔とか、無理して人と話すところとか私に弱さを見せない所とか大嫌い。
前に私が「無理してない?」って心配した事あったよね、そしたらさ貴女怒って本当に気持ちが悪い。
「別に弱みを利用しようなんか微塵も思ってない」
別に貴女と張り合うつもりは無いし、揶揄うつも無いんだよ、ただ無理してる貴女が嫌いなだけ。
でもさ、今日くらいは弱さを見せてくれてもいいんじゃない?
「今回は見てられないよ、話聞くからさ...」
大好きな恋人と別れて、弱り切った貴女が無理して笑ってるのは流石に見過ごせない。
「友達でしょ?」
しばらくしてから、彼女は少しずつ口を開いた。
「...うん、ぁ、あのね、彼氏がぁっ浮気してっ...」
彼女がここまで泣くのは初めて見た。張り詰めていたものが一気に壊れて流れてくるような、そんな感じ。
「だ、誰にも、相談できなくてっ」
溢れ出るものは弱さと悲しみばかりで、私は初めて見せてくれた“それ”をしっかり受け止めようと思った。
「そっか、辛かったね」
可哀想、可哀想だよ、あんなに好きだったのに。
気持ちが晴れるまで付き合ってあげる。
でもね、
浮気相手紹介したの私なんだ。
次の日、私はやけ食いにに付き合った。
2/6/2024, 7:21:49 AM