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一件のLINEが届いた。

いつものように広告かなと思いつつも、開いてみると──友人からの遊びの誘いだった。

大人になると、友人を遊びに誘うことは躊躇してしまうことの一つだ。
学生時代と大人では、生活リズムや家庭の事情等が複雑になり、気楽なお誘いは難しくなる。
私自身、何度も遊びに誘おうと思ってタイミングを見ては諦めていたのだが──友人から遊びのお誘いが来るとは。

嬉し過ぎるではないか!

テンションが上がると、何故か心は子どもの頃のような感覚に戻っていく。
何をするのも楽しいと思えたあの頃の感覚だ。
大人になっても案外覚えているんだなぁと、しみじみ思う。
その一方で、いつも胸にあった重苦しさが消えて、気楽な感覚になっていることにも気が付く。

これはきっと、友人によって好奇心の塊だった当時の自分がインストールされたからだ。

「遊びに行こう」

紡いだ言葉に当時の自分が重なっていく。

──きっとこの遊びは、楽しいものになる──

そんな確信を持って、LINEを送信した。
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子どものように

10/13/2024, 1:19:38 PM