特別な夜_24
私は言われるがままに
彼から渡された薬を飲む。
「さぁ 飲め。教授のために。」
そんなことを言われようかと
既に覚悟は決めていたので 丁度良かった。
ごめんなさい 教授。
この実験結果は
レポート出せなさそうです。
上を向き 強引に喉に通すと
カプセルが流れる音が
外にまで聞こえた。
が 何もなかった。
正確に言えば 実験は失敗だった。
だが やはりどの薬にも
個人差はあるようだった。
彼は少々キレ気味に 研究室を後にした。
少し眠気を感じて仮眠をすることにした。
辺りはまだ暗く 肩にはブランケットが…
ん?私はこれを掛けた記憶はない。
『あぁ 起きたかい? 僕の助手よ。
その顔…
何か飲まされたんじゃあないだろうね?』
心地よい教授の声が 私の頭を駆けた。
そして案の定 全てお見通しだった。
『おいで。』
なんだ…。
貴方はどこまで
私のことを見透かしているの?
貴方は申し訳ない顔をして
私にキスをした。
それから
今にもう一度したくなるような声で言う。
『君は研究者である以前に
僕の助手だ。
こんな簡単に人を信じても良いと
教えていないはずだが?』
また眠気がした。
その瀬戸際 彼は間違いなく言った。
『恋情を引き起こせとは言ったが
アイツ 分量を間違えたな。
まぁ良いさ。
おやすみなさい 僕の可愛い助手。』
1/21/2024, 10:17:53 PM