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俺を1人っきりにさせた奴の事を思いながら、三味線を奏でる。
自由なあんたが好きだ。誰かに囚われずに空を飛び回るあんたが…だけどな。

「十日間も留守にするとは、いただけねぇなぁ…」

こっちがどんだけっ……あんたを縛り付けたいと思っておる思いを抑えていると思う。全く!!

「もう、あんたの羽を毟り取ってしまうか…」

ぁあ、その方がいいかもな。両足の腱を切るだけじゃダメだな。落とすか…。そのあとは俺が懇切丁寧に面倒を見てやる。

そうと決まれば、あんたを隠す場所を探さないと…いっその事姿を消すか。そんな事を考えていると長屋の引き戸が開いた音が聞こえた振り向くと十日ぶりの情人がいた。

「…た、だ、いま…高杉…」
「あぁ、おかえり。随分と遅い帰りだな」
「…」
「おいおい、聞こえてるだろ?なぁ…俺の愛しい人」
「すっ、すまない…」

俺の怒りを感じ取って隠し刀は怯えた顔をしておる。可愛いなぁ…あんたは。色々と文句を言いたいが、先ずは先にやる事がある。

「さて…」
「高杉?」
「今は言葉はいらない、ただ…抱きしめてくれよ」

比翼に向けて両手を広げる。早くこの腕の中に来てくれよ。
愛しい人





8/29/2024, 2:08:42 PM