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 夜中に、外でなにか音がしたような気がした。起きて、カーテンを少し開けて外を見ると、雪が降っている。

 右から左から舞い回り、くるくると螺旋状に途切れることなく落ちてくる。しばらく飽きずに見ていた。静かだ。さっきの音の主は分からない。

 目の前には、たくさんの家やマンションが立ち並び、雪と眠りの気配で覆われている。
 
 そのうちの一つの窓が開いたような感じがした。影がベランダで動いている。激しく舞い回る雪のベール。ん?

 珍しい雪は、妙に心を騒がせる。そっとカーテンを閉めた。

「どこにも書けないこと」

2/8/2026, 9:07:39 AM