14歳になった底辺

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私の名前は非常に簡単な文字だけで構成されていて、小学一年生でも習った漢字でかける。
しかも名前は平仮名だから、色んな人に覚えてもらいやすいし、テストもタイムロスにならないから助かっていた。でも、私もたまに考えるんだけど、私の名前の由来ってなんだろう。
私の下の名前は「ゆう」響もなかなか良いし、困ってない。

そして私は昨日聞いてみた。晩御飯の私が作った麻婆豆腐を食べながら、私の名前の由来はなに?と聞いてみた。平仮名だから分かりにくい。勇とも優ともかんじる。

お母さんは答えた。夕方に生まれたからゆう。そのまま過ぎて泣いた。前授業で由来を聞いてくるようにと言われた時、聞きそびれて一人だけ由来言えなかったけど、それでよかった。こんなんじゃ馬鹿にされる。

私はひどいと思いながらも、お姉ちゃんの名前の由来を聞いてみた。お姉ちゃんは極極普通の由来だった。
私は辛くなった。私は末っ子だからお母さんも名前つけるのがめんどくさくなって、適当につけたんだ。
私が生まれて良いことってなかったんだ。

そう思った時だった。お母さんは私を見て察したように言った。
「ただの夕方じゃなくてね、あなたが生まれた時、私が人生で見た夕日の中で、断トツで綺麗だったのよ。夕陽にさらされた貴方は薄い皮膚が透けて、小さい血管が巡っていて、とても感動したわ。その時私とお父さんは貴方を絶対に幸せにするって決めたのよ。」

「だから「ゆう」あの夕日のような世界一綺麗で、静かなのに存在感のある光った子になって欲しいっていう想いが込められているのよ。でも、もし貴方がこの名前が嫌だって思ったなら、ごめんなさい。貴方がどう思うのかもしっかり考えた方がよかったかもしれないね。」

私はそれを聞いて危うく泣きそうになった。目尻が熱くなってあと何秒かその場にいたら声をあげて泣き出してしまったと思う。

それから私は自分の名前に誇りを持つようになった。
変なやつに揶揄われても気にしなかった。ゆうと呼ばれるたび自信をもって手を挙げた。

お題「私の名前」

7/20/2024, 10:31:59 AM