谷茶梟

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やるせない気持ち
(ワールドトリガー夢創作)
「ん」
想い人が背負っているものが重そうだから、手を出す。貸せとか寄越せとは言わない。それでも、彼女は俺の意図を察する。
「えーいいよ別に大丈夫だよ」
「いいから」
「うーん……」
渋々渡されたそれを、自分の荷物として背負う。本当は、彼女がこういう扱いを好まないのも知ってる。レディファーストってやつが嫌いらしい。けれど、これくらいやらないと、男として意識されないから。
「帰りたくないな」
君は無垢に無邪気に笑う。俺の必死のアピールも、あまり意味はないようだ。幼馴染だから?いつかの初恋は、もう終わったから。
「どこへ行く」
それでも、君の隣を離れられなくて。ほんの少し、期待を残す自分がいて。どこへだって行こう。君が望んでくれるなら。

8/24/2023, 11:36:11 AM