怒りも、悲しみも、
喜びも後付け。
空とはそれほど豊かな世界。
人でも操れない上位空間。
地を濡らす雫はどれほどの恵みか。
身を濡らす雫はどれほどの慈しみか。
この星が滅び、生まれ変わったときから、
再び滅ぶまで、青くあり続ける。
回る火の剣と形容された轟音で震えたとき、
人々はこれを怒りと喩えた。
喪い、押し殺す声をよりかき消されたとき、
人々はこれを悼みと呼んだ。
日照りで枯れた畑と木々が雨で潤ったとき、
人々はこれを喜びと捉えた。
すべての雫は人のように、
とめどなく溢れる涙のように。
怒りも、悲しみも、
喜びも後付け。
でも、人はこの空の泣き声を、
そう例えずにはいられない。
【空が泣く】
9/17/2024, 3:30:09 AM