僕は、サーカスの空中ブランコから落ちる夢を何度かみた。
最初にみたのは、幼いころ、何か母に言われ、僕は激しく怒り、母に水鉄砲を向けた。
その夜であった。
恐怖で、おしっこを漏らしていたのを覚えている。
それから、母の愛を真正面から受けとめられないようになった。
2度目の落下。
小学生のとき。
肺炎と扁桃腺の除去手術で入院した時である。僕はその時、小学生3年生であったが、その時以来、度々、定期的に体調を壊している。コロナにも2度感染した。今のところ、重度化せずに済んでいるが。
3度目の落下。
中学生のとき。
僕は最初部活で、野球部に入ったが、
途中、顧問の先生の勧めで陸上部にかわった。
変わる前は、迂闊にも気付かずなかったが、
陸上部のメンバーは、みんな全くの初対面で、
僕の性格やその時の時流もあって、軽いいじめを受けた。その時やっと、いままで、友達に恵まれていただけであることに気がついた。
人間が急に怖くなり、今まで、仲の良かった友達とも遊ぶことはなくなった。
4度目の落下。
高校生のとき。
僕は、勉強をサボり始めた。
今まで、成績は普通よりいい方であったが、
ただの丸暗記で凌いできたことに薄々気づき始めた。
本当の能力の能力を知りたくなかった。
恐怖心に負け、自分の可能性を信じることができなくなった。
5度目の落下。
社会人になってから。
僕は、今までで女性と付き合ったことがない。
理由としては、人間嫌いであることや本当の自分を知られたくないためという以外にも、1番は人を愛することが分からない。
形だけの婚活を10年ほど続け、ますます、愛について混迷を深めた。
そして、今、僕は落ちた先で溺れている夢をみた。どこかに、光は差していないかともがきながら、周りを一生懸命見渡してみる。
夕日が差しかかった部屋のなかより。
6/18/2023, 11:27:47 AM