お題《街》空白のスケッチブックに街を描いた。少女の。少女だけの――空想の街。孤独な少女が手に入れた、唯一の希望だった。旅人のお兄ちゃんがくれた、彩が宿る不思議なスケッチブックだ。その他にも不思議なものをたくさん見せてくれた。星を淹れたティーポット、枯れた植物が元気になる水、歌う妖精ドーム、お茶会をひらいてくれるブリキのおもちゃ。少女が手に入れたのは、生きてゆくための光と大切なきずな。
6/11/2023, 11:05:08 AM