「なーにしてんのー」
頭上から声が聞こえて僕は頭をあげる
「…え?僕ですか…?」
僕が誰かに話しかけられたのが信じられなくて、しかもそれが学校一の人気者の彼女だってことも信じられなくて、勘違いかもって確認した。
彼女は笑いながら
「逆に君以外の誰がいるのさ!てか、何してるの?ゲーム?」
なんて言いながらグイグイ迫ってくるもんだから勢いに押されて
「う、うん。」
と答えた
「いいなーゲームできて、私ゲームが絶望的に下手なんだよねー、いっつも弟にバカにされる」
彼女は少し落ち込んだように眉を下げた
…弟いるんだ、たしかに面倒見よさそうだもんな
そんなことを考えていると、
「ねえねえ!私にゲーム教えてよ!」
「え?」
ただの地味目のゲーヲタの僕が、学校一の人気者に?
「おねがい!」
そう素直にお願いされると断れない…
「…いいよ、どんなゲーム?」
「ほんとに?!ありがとう!えっとね…」
久しぶりに古びれた卒業アルバムめくる。
たくさんの彼女との思い出が鮮明に頭をよぎる。
そんなこともあったななんて思っていると、リビングから声が聞こえた。
「ねぇ!あのゲームの続きしよー」
その元気な声にいつもの通り僕は
「はーい、今行く」
と返した。
お題:『友達の思い出』
7/6/2021, 9:38:44 PM