・8『未来』
キルケーはグラウを心酔させ使役しようと思っていたが
グラウがキルケーに恋をせず、
キルケーだけがグラウの気持ちを手に入れようともがくこととなった。結果グラウにそれなりの地位を与えるように他の神々にも頼み込んでしまう始末だった。
彼が満足するように。
それなのに人間の娘に恋を?
私は知らなかった。人間の男は相手を一目見て恋をするかどうか決めるのだ。そうでない相手にはもう恋をすることはないと。
私がどれだけ尽くしたとしても無駄だったのだ。
思い通りにはさせない。お前たちに幸福な未来はない。
グラウの地位を剥奪し、スキュラには毒を与えよう。
【続く】
6/17/2024, 1:45:41 PM