誇らしさ
君の心臓が光っていた
僕の心臓も光っていた
君が僕の心臓を取り出した
僕も君の心臓を取り出した
君の心臓は銀色のナイフだった
僕の心臓は紫色の蝶だった
君のナイフは星より美しく光っていたのに
僕の手の中であっという間に錆びついた
僕は悲しくて君のナイフに涙をこぼした
僕の蝶は花のように羽ばたいていたけれど
君の手の中であっという間に茶色くなった
君は慌てて僕の蝶にそっと息を吹きかけた
ナイフと蝶が死んでいく
僕と君は一緒に生きていけない
君にナイフを返した ナイフが銀色にきらめく
僕に蝶が返ってきた 蝶が紫色の粉をまとう
僕らは一緒に生きていけない
君の心臓が光っている
僕の心臓が光っている
僕らは一緒に生きていけないけれど
僕の心臓は君の吐息を覚えている
8/17/2022, 3:46:00 PM