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『LOVE YOU』
2人並んで歩く、放課後の帰り道。
アタイの隣には、教科書ばっかり見てる、ひょろっとした真面目な男。
レディースの頭を張ってるアタイが、よりによってこんな男を好きになるなんて、一生の不覚だ。

​夕日に照らされた川面を見つめたまま、アタイは立ち止まった。
恥ずかしすぎて「好き」だの「愛してる」だのは、口が裂けても言えねえ……
アタイは隠し持っていた一張羅をカバンから引っ張り出した。
​バサリ、と派手な音を立てて、それを羽織る。
​「アンタッ……これを見なッ」
​アタイは背中を向けて、仁王立ちになった。
金糸の刺繍が夕光を跳ね返す。アタイの誇り、魂の四文字。
​『 愛 羅 武 勇 』
​これなら、アタイの想いが届くはずだ。
心臓が爆音を鳴らす。返事を待つ数秒が、集会の喧騒よりずっと長く感じた。

​背後から困ったような声が聞こえる。
​「……ええと……なんて書いてあるの? 」
​アタイはズッコケた。
​「……もういい! 忘れな!」
​「えっ、待ってよ! ちゃんと教えてよ!」
​慌てて追いかけてくるヤツの顔は、どこまでも真っ白で、どこまでも純粋だった。
アタイは前を向いたまま、心の中で毒づく。
真面目すぎるコイツに、アタイのLOVE YOUが伝わるには、まだ相当な時間がかかりそうだ。

2/23/2026, 3:43:35 PM