『雫』
深夜。
甘やかな湿度が寝室を満たす。
大きな瑠璃色の瞳に張っていた薄膜が、俺の律動に合わせて雫となって零れ落ちた。
「気持ちいーね?」
俺の問いかけに彼女が答える余裕は既になく、弛緩した小さな唇から艶めいた声を響かせていた。
普段、凛と澄ましている彼女が俺の熱に翻弄されてよがっている。
その事実だけでひどく興奮した。
「ねえ、愛してる」
既に密着している彼女のナカが、俺の気持ちに応えるようにキツく締まる。
彼女が嬌声を必死に抑えようとすればするほど、滑らかな素肌が熱を持ち汗ばんでいった。
熱と欲を食んでいた彼女の口元が理性をかき集め始める。
「っ、たしも……っ、ひぅう」
いじらしく言葉を紡ごうとした彼女の薄い唇を、唇で重ねた。
彼女の目尻から溢れた生温かい雫が俺の皮膚に乗り移る。
かわいい。
かわいい。
かわいい。
たわんだままの理性で目先の快楽に手を伸ばした。
あとから死にたくなるくらい後悔することはわかっているのに、俺は彼女に無理を強いる。
ああ。
堪らないな。
蕩けそうなほど柔らかくて熱くなった彼女の首筋に、俺は独占欲の華を咲かせた。
4/22/2026, 8:09:31 AM