『サピ全』とか読んでると人類というのはなかなかマリグナントで、私たちの祖先たちは社会を形成し技術を力として、定住先ではことごとく大型生物(脅威と安定食糧源)を絶滅させ、脅威とならなくなった他の人類(ネアンデルタールとか)も(おそらく近系なので目障りだから?)絶滅させ、家畜化した生物種には支配的にとことん残酷な仕打ちをしてきたらしい。
共生など考えず、脅威となる他生物種は絶滅させ、おそらく目障りだから他人類を絶滅させ、利用できる他生物種は残酷に扱ってきたのなら、他者を非自己と認識することで排除もしくは家畜化する性向があるよう。
つまり、利害のある他者を犠牲にしたり利用したりできる口実を積極的に探し(差別化)、害のある他者はジェノサイド(排除)、管理収益できる他者はギリギリの限界まで利用してきた(家畜化)。
個人差はあったとしても、種としては利害のある非自己には病的なまでに不寛容で、とことん容赦がなく、繁栄もしくは個人の利益のためなら調和なんか関係なく破壊し尽くしてきたというのは事実であって、これがその本性らしい。
だから持続可能性が大事?
御冗談もたいがいに。つまりそれは収益できる世界を持続可能なギリギリまで利用していこうという「家畜化」と同じ発想だろう。それにそう言ってる私たちの手がすでに血まみれなんですよ。
非自己に対してとことん排他的で、技術力に依存して破壊的になれる、おそらくそれは遺伝子にプログラムされていて、個人の目に入るような局面では理性的に限界を意識して温厚でも、小さな個々の局面から都合よくちょこちょこと第二形態になり、種の全体としては暗黙の了解として着実に遂行されてきたこの性向は、たぶんおそらくどうにもできない。
これからは、それは人類間、社会間に持ち込まれるんじゃないかと思うし、現にそういう流儀が支配的になってる。
それに、限界のない人類の力(技術力)の進歩に時間的な漸近線があるように、それと並行して人類そのものの時間にも漸近線があって、それはそんなに先の話ではないんじゃないのかなとも思う。
癌組織のようなこの生物種が、1000年先もこの世界に存続しているのかというと、おそらくないんだろうな思う。自滅していくのか、何か大事故をやらかすのか、宿主である世界が破綻するのかは知らんが。
というのが『サピ全』読んでて感じる、自分たちの業というか寂しいところ。
2/4/2024, 12:48:41 AM