NoName

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喉から手が出る程、堂々と君の隣に立てるくらいの魅力が欲しい。
君の隣を歩いて、君と話しながら同じ家に向かえる。それを君が幸せだと感じてくれるくらいの。
君は何よりも綺麗だと思う。笑顔も、性格も。だから、それに釣り合うくらいの魅力。それが一番手に入れたいもの。
君の魅力は、そんな願いも作ってしまうくらい、強い。それを自覚していないのも魅力になってしまうのだから。
あぁでも、今はきっと無理なのだろう。ずっと高い位置にある君の顔。視線に気付いた君はしゃがんで僕の頭を撫でる。
ナァ、と鳴けば愛おしそうに見つめられる。

「おまえ、野良猫のくせによく懐くなぁ」

もう一度鳴いても君には何も伝わらない。
来世は、君に釣り合うくらいの人間になってやるんだ。待っててね。


(今一番欲しいもの)

7/22/2022, 8:06:37 AM