見飽きた通勤路は車の
ウインドウガラスが映し出すもの
毎朝会うバイクの男 今日はアンタが速いようだ
家を、出る、その数分の誤差なんて
神さまにとっちゃ 無いに等しいらしい
だからアンタとだいたい 並ぶ
冗長な赤 信号機
名も知らんアンタを 明日はこっちが抜き去る日
花見の主人公、それは葉が混じってしまうと
誰からも見られなくなるぞ
「来年見ればいいから」だって
落ちてる花びらは ただ踏まれるだけ、
酒のつまみは 枝の方の花びらだけ、
見返すことない 写真の中
来年も満開がさ、あるんなら
アンタも、まだ並んでいるか
冗長な赤 白線の内側で
誰だって死にゆくから 同じ風景をともにしたい
0と1で表現される 写真に残したい
だけど 信号を抜けた先の 仮面のせいで
それすらも忘れていくんだよ
忙殺の片隅に あるかい
バイクのアンタも そう思ってるかい
4/12/2025, 12:38:19 PM