ーこの場所でー
久しぶりに小学校の通学路を歩いた。
この木の下で友達と寄り道して
帰りが遅くなって怒られたな
この曲がり角で
好きな子と手を振ってまたねと言ったな
あの日の今日と同じ晴れた空に
明日も話せますようにとか願ったな
自分が亡霊になったかのように
過去の自分が目の前にいる。
大学受験も終わり、
嬉しいはずで、
この先自由も出会いもあるはずなのに、
過去を思い出すと、
怖い。
小学生の通学路の先で
自由や楽しみを
忘れてきた私は、
小学生の頃の自分が別人のように見える。
さっきのは多分、
「亡霊になったかのように」ではなく
「亡霊になっている」。
遠くに忘れてきた忘れ物は諦めてしまうように
私も変わってしまったんだからと、
理想通りに自分を変えることは諦めようとしていた。
でも、
先生の「そのままでいいんじゃない」の言葉に
そうですね、とは言えなかった。
積極的な人が好かれて
優しい人は嫌われなくて、
話すのが上手いとか聞くのが上手いとか言う人は
人気者で
なんて言葉に目も耳も痛くなって
じゃあ
誰とも争った訳でも無いのに
孤独な私は何なんだろうと、
なんか偉い感じの専門家に訴える想像をする。
返事はもちろんない。
高校の通学路を久しぶりに歩く。
この人通りの少ない道で一人で泣いたな。
こののら猫だけが自分の癒しだったな。
このスーパーでいつも割引のおにぎりを買ったっけ。
空には願いごとなんてしなくなってたな。
亡霊はこちらの自分に取り憑いてしまったようで
勝手に捨てネコにするように甘やかしている
何かが違う。
でも、遠くに忘れたものを取り戻したい訳でもない。
私は、今を歩きたい。
私は、今という場所で明日を描きたい。
私は、、、
ん?
亡霊と喧嘩をしているのは誰だろうか?
2/11/2026, 12:47:58 PM