ナヅナ

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ハッピーエンド

とあるお茶会でのディスカッション

今日もまた夜がやってきた。今日の天気は曇りで星も月も良く見えない。お世辞にもいい天気とは言えないであろう。そんな中で席に着き話している3人の女性がいた。明かりは中央のランプのみで顔は見えづらい。その3人の品格ももちろんの事、ガゼボを囲む様に植えられている白い花々が近寄りがたさを出している。
「ハッピーエンドってさ?」
先程の静寂を壊したのは青を基調とした白のフレアワンピースを着た女性が茶色の髪を靡かせながら話初めた。他の2人は急な話題に驚きつつも何も言わずに耳を傾けた。
「本当に良いものだと思う?私にはそれだけじゃない様な気がしてならないの。」
それを聴いて赤色のミモレドレスを着た黒髪の女性が笑って言う。
「アグノラったら何を言うの?幸せなのは悪い事では無いでしょう?」
「それはそうだけど、ハッピーエンドっては幸せな終わりだけど真実ではない。それに単体で見れば幸せが終わる訳じゃん。」
「うー。確かになぁ。んー、」
「あーもう!なら幸せって、良い事って何だって言うのさ!」
「それは今の事じゃない?」
それまで無言で会話を聴いていた金髪の黒色のミニワンピースを着ている女性が言った。
「エフィ、それはどう言う事?」
「今こんな時間を過ごして居られるのは幸せだと私は思ってるよ。」
「それと私はどっちの意見も正しいとは思うよ。確かにビアンカの言う通り、幸せは悪い事では無いとは思うわ。でもね、アグノラの言う事だって正しいとは思うわ。ハッピーエンドとトゥルーエンドは違う。トゥルーエンドが何だったとしても真実を知ることも大事な事だしね。それに」
彼女、エフィは空を見上げて笑った。
「この後、つまりハッピーエンドのその後が不幸になるかも知れない。ビアンカ、アメリカの作家であるオーソン・ウェルズさんが言うにはね『ハッピーエンドかどうかは物語をどこで終わらせるかによって終わる』らしいんだよ。そもそもこの先こうやって居られる保証は何処にも無いのよ。」
「まあ、そうかもね」
「えぇ、だからそんな大事な時間を喧嘩して潰すのは良くないわ。」
「そうね」
彼女達の話はまだまだ続く。夜が明けるまで。また新たなお題を決めて。

3/29/2026, 4:16:39 PM