宝物
あの日、僕たちは冒険をした
おじいちゃんの使っていた机
その引き出しから宝の地図が出てきたから
手を取り合って
崖を登って
行き着いた先は小さな祠
だけど、祠の周りを探しても
宝物は見つからなかったんだ
意気消沈する僕たちの前に
祠を手入れしに来たというおじいさんが現れた
話を聞くと
おじいさんは僕のおじいちゃんの友人だった
僕の持つ宝の地図を見て
おじいさんは言った
「残念がらなくてもちゃんと宝物はここにあるんだよ」
手を伸ばした先
夕陽が町を照らしていた
今思い出す
確かに宝物はあったんだ
あの夕陽を見て笑い合う
僕たちの思い出というかけがえのない宝物
だから僕はそっと机の引き出しに地図を仕舞う
僕がこの世を去ったあと
君がこの地図を見つけてくれるように
11/20/2023, 10:20:12 AM