冬巴

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「あいつまじで無理ー(笑)」
と、そう言われた。言われたというか、俺の陰口が聞こえてしまった、みたいな状況だろうか。
あぁ、そうなんだな、あいつは俺が嫌いなんだなぁと割り切ったように思っていても、友達だと思っていたやつに嫌われているのは、辛いよな。
ガラガラと何かが崩れていく感覚がした。

こんなの今までも何回もあった。元々俺が他人を信じやすく心を開きやすいタイプなんだろう。何度も信じて、騙されて嫌われて、慣れたはずなのにこの感覚だけは消えなくて、
「…ほんと、何してんだろ、俺」
誰もいない部屋で呟いた。

その時ブーブーとスマホがなり、見てみると俺の友達だ。友達と思っている奴、かもしれないが。
⟬なあなあ!明日暇?暇ならあそびにいかねぇ?⟭
と、今の俺の心境とは反対のようなメッセージだった。
でも、それだけで俺は嬉しいと思える。こういうところでは他人に心を開きやすいってのもいいな、と思う。

…あいつは俺を裏切らない。そう信じていられる。
あいつだけが俺の一筋の光。

11/5/2022, 10:47:38 AM