雛朶

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遠雷

あの日は天気が悪い日でした。
雨はザァーと降り、遠くの方で雷が
鳴り響いていたのを覚えております。
頭に響く呼吸音 汗で濡れた顔。
「はぁ、はぁ、ひゅ かひゅ」呼吸が短くなったり
長くなり、過呼吸の様な感じでした。

頭の中が真っ黒になって、周りがシーンと静まり返っていました。微かに聞こえてくる足音。
コツコツと段々音が大きくなるにつれては足音も早くなり、ついに私の真後ろまで来ました。
ですが私の真後ろで止まっては、2、3分程度でしたが動きが止まりました。
何かが濡れている音が聞こえた瞬間、
私は腹を刺され、その後に肝臓、胃、腸と次々に臓器を滅多刺しにしていきます。
その後私は振り返り刺した人物を確認しようとしますが必ず誰だか分かりません。
そこで夢が冷めてしまうのです。
それが1週間ずっと続きました。
段々寝るのが怖くなり、寝ない日もありました。

そしてある日私は本当に後ろから刃物で滅多刺しにされ、亡くなりました。
その日も天気が悪く雨と雷が鳴り響いていました。

8/23/2025, 4:13:20 PM