満員の電車に乗って、吊り革を握る。額にうっすらと汗が滲む。今日は、急に暑くなった。生ぬるい空気の中、風だけが上からきている。
電車は、何駅か飛ばして一気に進んでいく。窓をぼんやりと見ながら、今日あったことを思う。ゴトン、ゴトンという一定のリズムに揺られながら、なんだか思いもゆらゆらする。
夕方の電車は、空気が重い。たくさんの人の思いが立ち込めているようだ。ようやく駅に着くと、一気に空気が動いた。降りる流れに乗って、外に出る。
さぁーっと風が全身に当たった。ふぁーっと思う。広い公園でもなんでもない、人がたくさんいる駅の風が、とても心地よかった。
外に出ると、一層風が強くなった。色々な思いをきれいに吹き飛ばしてくれるような気がして、風に身をまかせて歩いた。
「風に身をまかせ」
5/15/2026, 6:22:06 AM