みゆき

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あじさい

しずく「梅雨ってなんか気分落ちるよね。
雨続きだしジメジメしてるし。」
六花 「そうかな。滴る雫とかあじさいとか
綺麗だし。写真部にとっては嫌いじゃないかな」
しずく「あじさいねぇ。馬鹿な花だよね。」
六花 「どうして?」
しずく「わざわざ梅雨時に咲くんだよ。
晴れ渡った空なんて珍しい時期だし。いつでも
雨に濡れて寒くても冷たくて悲しくても
それでも綺麗に狂い咲かないといけない。
私なら耐えられない。」
六花 「違うよ。確かに冷たくて寒くて
可哀想な花かもしれない。でもそんな雨さえも
あじさいに取っては自分を綺麗に見せたてる
テリトリーなんだよ。だから、悪とも手を繋ぐ
ってこと。私もあじさいのようにはなれない。
でも強いあじさいは憧れるな。馬鹿じゃない。
強いんだよ。」
しずく「なんで、そんなに強くいられるの?」
六花 「きっと信じてるんだよ。
『私が咲くことでまた何かの生き物の笑顔
が咲いたのなら私は梅雨時の太陽だ』って」

あじさいは季節違いでも選び間違えた訳でもない
ただどんな美しい花よりもどんな人気な花よりも
強いんだ。            あじさい―

6/14/2024, 9:39:01 AM