「今年も相変わらずの一年を」
「あけましておめでとう」
「あけおめー」
「はぴいやー」
「おめでとーおおお、花火っ!」
いつものメンバー男四人で二年参り。
俺たちは、寺の境内から続く参道で待機中に新年を迎えた。
どっかんどっかん花火が上がり、周囲の参拝客から歓声が上がる。
「今年もよろしくー」
「おめーよろー」
「よろしくー」
「うおお。ブレた。やっぱ花火撮るの難しいなぁ」
「動画で撮ってそれスクショするといいぞ」
「なるほどー。お前、マジ頭良いな」
「しかしこれ、いつ本堂入れるんだろうな」
どうやら俺たちの集合時間は少し遅かったようだ。
「まさか仁王門まで並んでるとは思わなかったな」
来年いや、今年の大晦日に来るときは、もっと早い時間に来ないと。
「いやー、新年って感じしないな!」
「そう?」
「今言う?あけおめ言ったばかりで言う?」
「だって、いつものメンバーだし。なんだよ、ひとりくらい着物着ててもいいのに、みんな普通の格好だし!」
「着物なんて浴衣しか持ってねーぞ」
「俺、浴衣も無い」
「ま、男の着物なんかどうでもいいけどさ」
「あー、はいはい」
ダラダラと話しながら待っていると、列が動き出した。
「なぁ、お願いごと何にすんの?」
「こういうのって、去年無事に過ごせたお礼言うもんじゃないの?」
「はー……これだから純粋バカは。やっぱ彼女がほしい、だろ。あとは……」
「除夜の鐘の整理券貰った方が良かったんじゃね?こいつの煩悩祓わないと」
「祓える煩悩なら、いいんだがなぁ」
今年も、なんだかんだでこいつらとつるんで一年過ぎるんだろうな。
それはそれで悪くない。
────新年
1/2/2025, 7:34:50 AM