憂愁を帯びた青春

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秋晴れの日
それは
幾つも思い出の日
秋晴れの日は
時間の経過を
忘れさせる
ふと
1、2、3.....10数年前のあの日に
タイムスリップしたかのような
錯覚を起こさせる
青い空にくっきりと
黄ばんだ葉をつけた木の枝が
浮かび上がる
澄んだ冷たい空気
あの頃にはもう戻れないと
わかっているのに
そしてもう二度と
あんな思いはしたくないと
思うような
苦しいことも
あったのに
懐かしいと思うあの秋晴れの日
僕の靴が
カサカサと
落ち葉を踏む
砕けた落ち葉が
キラキラと
夕日の中で黄金色に光る
ふと僕の目に
涙が浮かぶ
悲しいのか
寂しいのか
懐かしいのか
苦しいのか
わからない
こぼれない涙が
目に溜まって
視界が
逆光の写真のように
ぼやけて煌めく
僕はこの景色を
記憶というカメラに収める
また増えた一枚の思い出
落ち葉のように
降り積もる
この今という時間も
いずれは遠い昔になるのだろう
この切ない気持ちも
いつか
懐かしい思い出として
見返せるといいな

10/18/2023, 11:26:43 AM