能力者になりたい佐々木海星(偽名)

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【今一番欲しいもの】
 「春」。みんなはこの言葉を聞いて何を思い浮かべる?新しい季節。新しい出会い。僕もそれを求めていつもいろんなことにチャレンジしている。僕はA高校に入学することとなった。A高校はこの地域で上位の高校。昔の僕では無理だったが、花奏のおかげでA高校に通えることができる。僕は桜木の道を花奏と歩いていた。
海星「桜が満開だね。」
花奏「そうだな。」
海星「新しい出会いとか、ワクワクするよ。花奏はそういうの求めてないの?」
花奏「私は『勉強』一択だな。悟りでも開いてるよ。」
海星「『青春』という言葉を知らないのか?一緒にリア充になろうぜ!」
花奏「やだ。お前となんてもってのほかだ。」
海星「えー、おもんないなぁ。」
花奏「学生っていうのは勉強するために生きてるの。大人になったら働かなきゃ行けないでしょ?そのために学歴を稼ぐものだろ。」
海星「いえいえ、学生とは青春を謳歌するために生きてるんだぜ!僕らも学生、今を楽しまないと。」
花奏「お前だけ勝手にやってろ。」
そういいながら、僕らは校門に入り別れた。 
 この学校は学年人数が多い。よって、クラスも多くなっている。僕は東側。花奏は西側の校舎に向かった。内装はまぁまぁきれいで、日差しがよく入る。
海星「僕のクラスはここか。」
僕は自分のクラスに足を踏み入れた。あれ?男女比エグくね?黒板にはクラスメイトの座席表が描かれていた。男は黄色。女は赤で書いてあった。計算すると、全体が30人だから2対1(女子対男子)。大変だなぁ。まぁ、これもこれであり、か。そう思いながら僕は自席で時間を待つのであった。
先生がやってきて短めのホームルームが終わった。休憩時間。みんなソワソワしていた。
蓮「なぁ。このクラスどう思うか?」
Who is he?この人だれですか?疑問を抱えながらその返答をする。
海星「男女比がえぐい。」
蓮「だよな。なぁなぁ。見る感じあの子可愛くね?」
彼が指さした先に視線を送る。
海星「確かに。」
蓮「緑の髪に小柄で華奢な女の子って感じ。おっと、名乗り忘れてた。俺は西間蓮。呼び方は何でも良い。」
海星「僕は佐々木海星。よろしく。」
こんなに早く新しい人を見つけられるとは。運が良い。神様、ありがとうございます!
 あれから、数日がたった。学校生活も慣れた。ずいぶんと充実した日々だ。花奏との登校に、蓮や他の男子との交流。いつも、食堂で花奏と昼飯を食べ、クラスに帰ってきたら「お帰り」と言ってくれる仲間がいる。もし、昔のままだったら、きっと、高校生活はこんなもんじゃなかったんだろうな。今は昼休み、食事を終えて帰ってきたところだ。ちょうど蓮も廊下にいたもんで話しかけてみた。
海星「何しとん?」
蓮「なぁなぁ。あそこの古明地さん。今日も可愛くね?」
海星「ホントヤネ。」
なんというか、蓮は古明地さんに恋をしているらしい。入学当初、僕らが出会ったときにも言っていたが、これは一目惚れと言うやつか?青春だな。
海星「古明地さん。こっち見てね?」
蓮「ほんとだ!俺もう幸せすぎて死にそう。」
古明地さんはこの学校でとても人気がある。美人、美少女というところが光り輝いている。だか、花奏も負けちゃいない。成績トップ、美人で運動神経もあってモデル並みの体格。学校では全く口を開かないそうだがかなり有名だ。
海星「試しに、話しかけてみたら?」
蓮「無理無理無理。対面するだけで倒れる。」
海星「根性ねえなぁ。んじゃ、僕は教室に帰ってるよ。あとは自分で頑張って。」
蓮「ちょ。」
蓮の言いかけの言葉を無視し、僕は自分の教室に向かった。
クラス内は女子でガヤガヤしていた。女子の多いクラスには女子が大量に集まるもんなのか?という気持ちで周りを見ていた。すると、ちょうど古明地さんも帰ってきた。あいつ、何もやれなかったんかよ。
こいし「佐々木くん。ちょっと来てくれない?」
クラス中の視線が僕に向く。あぁ、この感覚。好きじゃないな。
海星「わかった。行くよ。」
僕は古明地さんに連れて行かれた。
 僕らは人気の少ないところに移動した。ここまで来るのに、蓮に遭遇しなくてよかったと思う。
海星「で、何で僕をここへ?」
こいし「あなたは、貴方はなぜ私を見てくれないの?」
海星「へ?」
検討もつかない。誰もがこうなるだろう。脳が一瞬理解できなかった。理解するのに時間がかかった。
こいし「もしかして小林側?」
小林、花奏のことか。
海星「別に、どちらでもないさ。」
こいし「それはわかってたけど、」
わかってたんかい。
こいし「小林側を除く学年中はだいたい私に目を向けているのよ!あなたも私を見て!」
海星「は?そんな事言われても。」
こいし「私はあなたが欲しい。この学年全体が私を注目させるような学校にしたいから。一人ずつ、あなたが最初。」
良くないことに巻き込まれたかもしれない。めんどい。
こいし「覚悟しといてね。」
満面の笑みで答える。もう、始まってんのかよ。花奏。help me !
《ハート多かったら長期物語にします》 

7/21/2024, 12:39:51 PM