『二人だけの秘密』
これは何があっても二人だけの秘密。
裏山には大きな花畑がある。その花畑にはとても大きなクスノキが1本立っている。なぜか、あまり知られてなく、僕たち以外に人がいるところを見たことがない。僕たちはよくそこで話していた。
でも、ある日急に君はこんなことを言ったね。
「あのね。言わなきゃいけないことがあるんだ。」
「どうしたの?」
「私、手術するの。」
そのとき、僕は頭が真っ白になったよ。今までそんな話、君から聞かなかったから。
「成功するかは分からないけど、明日から入院なの。」
君は不安そうに言った。あんまりも不安そうで僕も泣きそうになった。
「大丈夫。成功する。僕がずっと祈るから。ずっとここで待ってるから。」
そんな根拠どこにもない。それでも君を少しだけでも安心させたかった。
「もし、成功したらここでまた一緒にお話しよう。二人だけの秘密ね。」
その言葉で、なぜか僕が救われたような気持ちになった。
「うん。二人だけの秘密。」
そんな過去を思い出しながら、いつも通りクスノキの元へ行く。すると、クスノキの下で誰かいた。間違いない。君だった。僕は泣きながら、彼女を抱きしめた。
5/3/2026, 9:57:20 PM