明日、もし晴れたら
「明日晴れたらシーツ洗濯するかぁ。」
眼鏡を外した晶が言った。僕はなんともないみたいに、うん、と軽く返事をしてベッドに寝転んだ晶の隣に潜り込む。
シーツがベランダで風にはためくのを想像して、ふっと目元の力が抜けた。夜の静けさが僕達を包んでいる。
晶がした欠伸がふわりと空気を揺らし、彼はゆったりと息を吐き出して僕の隣で心地のいい場所を探すように身動ぎした。
僕の腕に身体をくっつけたまま、時間を要さずに晶は寝息を立て始める。
寝入る早さは本当に小学生の頃から変わらない。彼を起こさないようについ少し笑った。
「…おやすみ。晶。」
「……んん…。」
僕達は元々幼馴染だ。それが時を重ねて、パートナーになった。
過去のお泊まりの星屑を集めるようなときめきを抱えたまま、今は同じ家に住んでいる。
明日の天気が二人事である事実に口角を緩めて目を閉じた。
明日晴れたら公園行こうなんて言っていた幼い横顔を思い出しながら、昔と変わらず明日の晴れ空を願って眠りに就く。
8/1/2023, 2:03:32 PM