深夜1時、僕は夜空を舞う。
今回の仕事はレフィティール美術館に特別展示されているサファイアの首飾りを盗むこと。
作品名を「BlueMoon PhantomThief」
大粒のサファイアをメインに、高品質のタンザナイトとダイヤモンドが装飾されている。
なんでも、この僕の報道を見て作成したらしい。
作者は『ぜひ、私の作品をかの怪盗に盗んで頂きたい』と新聞記者に語っているほどの僕の大ファンだ。なら、僕はその期待に応えないとね。
監視カメラや警察の目をくぐり抜け、あっさりとお目当ての首飾りにご対面し、簡単に盗めた。
僕は知っていた。
ここからがショーの始まりだと。
スポットライト代わりのサーチライトが僕に注目した。
警察官達が一斉に構えの姿勢をとる。
高まる胸の鼓動を抑えながら、僕は警察達に笑顔で挨拶をした。
「ご機嫌よう。警察諸君―。」
さぁ、ショータイムだ!
3/20/2023, 8:04:02 AM