「秘密の場所」
これは幼い頃の私の思い出。
私の学校には、遊具としてタイヤの積み上がった塔のようなものがありました。そこでてっぺんまで登ったり、またある時には集合場所になったりと、色々な使われ方をしていました。
ある時私は、その塔を少し登りました。そして気付いたのです。タイヤとタイヤの狭い隙間に、小さな鳥の巣があることに。
初めて見つけた時、私はとても感動しました。
残念ながら住民はいませんでしたが、小鳥の暮らしを垣間見ることができる宝物のような場所だ、と当時の私は思ったのです。
私にとっての宝物、秘密の場所ができて、その日からその塔に用事があるたびに心がぱあっと明るくなりました。
住民のいない、がらんどうの鳥の巣。あの場所には、私の思い出がたくさんつまっています。
今は塔自体があるのかないのかも分かりませんが、このタイトルを見て、ふとあの鳥の巣のことを思い出したので書いてみました。
もしかしたら秘密の場所はなくなったかもしれませんが、私の中に彼らはずっと生き続けています。
3/9/2025, 4:03:45 PM